巻 頭 言

米積 直樹 (弁護士)

謹んで新年のご祝詞を申し上げます

 本年の巻頭言は私が担当させていただくこととなりました。思えば、私が当事務所に入所し、弁護士としての活動を始めて5年目となり、時の流れの早さを痛感します。

 さて、昨年の大きな出来事として、2020年に東京でのオリンピック開催が決定したことがありますね。その知らせに触れた瞬間、誰もが7年後の自分の姿を想像したのではないでしょうか。東京開催に向けて、様々な乗り越えるべき課題はありますが、まずは、日本中の人々に7年後へ向けた思いを抱かせ、おそらくそのほとんどが前向きな思いであったことに大きな意味があるように思います。ただ一方で、東日本大震災という未曾有の災害からの復興も,未だ道半ばであるという事実は、日本人全員が胸に刻みつけておかなければならないでしょう。

 オリンピックの招致活動には、政治家,芸能人等様々な人が関わっていましたが、中でも印象深かったのが、現役のトップアスリート達の情熱と、表現力でした。一流のアスリートは、自らの感覚や技術を言語化し、表現する能力に非常に長けていると思います。そして、彼ら彼女らを支える情熱の源は、それぞれの競技、ひいては日本のスポーツの歴史に対する畏敬の念と、その歴史を未来へとつないでいくことへの使命感にあったのではないでしょうか。今回の招致活動に関わったアスリート達の中には、東京オリンピックの際には既に現役をしりぞいている方も多いでしょうが、彼ら彼女らが招致活動を通じて示した情熱は、きっと後進が引き継ぎ、熱いパフォーマンスを見せてくれるでしょう。7年後が楽しみです。

 みなさんが今思い描く7年後はどのようなものでしょう。2020年には私は39歳になっており、弁護士として12年目を迎えています。まさに脂がのった時期を迎えているはずですから,その想像上の姿に追いつくよう日々の研鑽を重ねていく決意を新たにするところです。