昨日のこと

弁護士 笠井 勝彦

 「今年も残すところあと○○になりましたね」などと言われる昨日の午後、私は、川崎総合法律事務所において、先輩弁護士と一緒に建設会社の方と会い、下請契約解除後の未払代金支払等に関する相談をしていた。
当事務所には計7名の弁護士がいるが、私は弁護士経験が一番短く、他の6名は全て私の先輩弁護士である。
ご相談は、債権法等改正後の債権譲渡とその登記、ファクタリング会社等への二重譲渡、相殺や供託などが問題となる結構難しいものであったが、建設会社ご担当者の事前準備により、次回相談日時を決めていつものように比較的短時間で終了した。

その後、全弁護士が一堂に会する会議が行われ、事務所の運営等に関するいくつかの議題を協議した。前記建設会社のご厚意で応急処置がされた事務所入口自動ドアの取替工事には相当な費用が掛かるが、高騰しているガラスドアの交換をしなければ半額程度で済むことなどを知り、事務所の忘年会の日程も決められた。
また、この事務所報「あおい空」の原稿締切が会議当日(昨日)であり、未提出は私だけであることも知った。会議中にご予約なしのお客様(男性2人連れ)が相談に来所され、最も時間的余裕のある私が会議終了後に対応することになった。
そして、会議は程なく終了したが、お客様は、それを待ち切れず既にお帰りになった後であった。どんなにお急ぎの相談だったのでしょうかね。

それから午後5時までは、2名の先輩弁護士による離婚事件の打合せに参加させてもらった。
住宅ローン債務のため抵当権の設定されている不動産の財産分与というよくある問題に加え、ご夫妻の固有の事情もあり、今後どのような解決が図られるのか気になった。

そして、午後5時からは、全弁護士が参加し、一弁護士が最近の判例誌掲載の裁判例数件を紹介し、全員で意見交換や体験報告などをする勉強会が開催された。
勉強会は、コロナによる中断を経て3か月前から再開されたものであるが、昨日もVTuberによる発信者情報開示請求の事案と認容判決後もなかなか開示されない実態など。一昔前には考えもつかなかった紛争や事例が紹介され、とても有益であった。

勉強会終了後、これも恒例の有志(時間の許す者)によるおいしいそば屋さんでの懇談会が行われ、談論風発の中で長引くロシアvsウクライナや、一段と激化したイスラエルvsガザ(ハマス)の戦争に話が及んだ。
日本は「終戦」から78年以上の「平和」な状態が続いており、勉強会終了後に一仕事をしてから参加した平成生まれの弁護士はもちろん、最初から懇親を深めていた昭和20年代生まれの私たち3名も皆「戦争を知らない子供たち」であった。
平和憲法とされる日本国憲法の前文を想起しながら、戦争があり、一触即発とされる地域が世界中に存在する現実との相違に暗澹とせざるを得なかった。

事務所報の締切を過ぎ、担当の先輩弁護士に「明日には提出します」と約束し、懇親会を終えて帰宅後、何を書くか考えたが、よいアイデアが浮かばなかった。 そこで、このように昨日の午後からの出来事などを書き、皆様に当事務所の弁護士の活動等の一端を紹介させていただくこととした。
次号には、もっとよいテーマの原稿を締切前に提出しますので、お許しください。

以上