法科大学院・事務所研修

菊池  博愛 (弁護士)

 昨年から法科大学院の制度が始まりました。 この制度の詳細についてはここでは省略させていただきますが,昨年9月に法科大学院の学生が早速当事務所に研修に来ましたのでその感想を少し書きたいと思います。

 この研修は夏休み期間中の5日間ということで,法科大学院での学びのモチベーションを維持するとか新司法試験合格後の自分をイメージするといったことが主な目的のようです。 たったの5日間でしたが,法律相談,相手方当事者との示談交渉,刑事裁判の傍聴と色々体験していただくことができました。 研修の日程が決まったときは私の手帳がまだ空白の時期にあたってしまい,つまらない研修になったらどうしようという心配もしていましたのでとてもよかったと思います。

 研修生の話では法科大学院の学生は勉強も大変だが,自分が選んだ道が本当に正しかったのか(旧司法試験の受験を断念してよかったのか。)と心配になっているとのことでした。 先日も法科大学院卒業後の新司法試験の合格率が初年度で30数パーセントになる見通しであるとの新聞報道がありました。 もともとは新司法試験の合格率は7~8割になるとのことで始まった法科大学院の制度なのに,入学してから話が変わってしまうというのは困ったものだと思います。 人によっては仕事をやめたりしているわけですし,学費も安くはありません。

 研修を受け入れた私の感想としては研修生の向学心はとても高かったと思います。 私が土曜日に起案をしに事務所に出てくると言うと,休んでよかったにもかかわらず事務所に出てくるほどでした。 このような研修生の姿を見て,法科大学院・新司法試験の制度がどうなるかといった余計な心配から開放されて,勉強に専念できる環境が早くできればいいのになぁと思いました。