巻 頭 言

高柳 馨 (弁護士)

あけましておめでとうございます

 写真は、沖縄県宮古島市の美しい海と空です。昨年10月末の合同の事務所旅行(といいましても当事務所は私の代表参加です)で、宮古島東端の平安名埼(へんなさき)灯台の展望台から撮影しました。海の色が濃い青とエメラルドグリーンに分かれています。エメラルドグリーンの部分は浅瀬であり、低潮線保全区域になっているとの看板が立っていました。低潮線というのは最も潮が引いたときの海面と陸地との境界線であり、低潮線から12海里が領海、200海里が排他的経済水域となっており、海の境界を決める重要なラインであり、海底の掘削や土砂の採取が法律(低潮線保全法)で禁止されているとのことでした。

 ところで、昨年は毎週末のように台風が来て台風が多かったという印象でしたが、宮古島のタクシーの運転手さんにお聞きしたところ、台風が少なくて困っているとのことでした。そこら中のサトウキビ畑が茶色く枯れかけており収穫が終わった後なのかと思っていたところ、収穫は3月頃とのことで、本来なら青々としていなければいけないのに水不足のために枯れかけてしまっているとのことでした。そして台風は、作物を育て害虫を駆除し塩害を防いでくれる自然の恵みであり、宮古島の建物はすべてコンクリート造りで風速5~60メートル程度の風は何でもないので、台風にはどんどん来てもらいたいと話していました。台風といえば被害ばかりが強調されて報道されていますが、運転手さんの話は台風は自然の恵みという観点を気づかせてくれました。

本年もよろしくお願いいたします。