« 2006年11月 | メイン | 2007年06月 »

2007年03月16日

2年間ブログを書いてみて(弁護士 菊池博愛)

当事務所のホームページをご覧になった方はご存じかもしれませんが,私は2年ほど前からブログを作っています。当初の目標としては毎月1回更新するということで続けてきたのですが,2006年の新年を迎えた際に毎月2回更新するという目標を立てました。初めのうちは毎月2回ずつ更新していたのですが,次第にネタ切れとなり後半は月に1回の更新もやっとという状態になってしまいました。

話題としては私の好きなスポーツの話(主に野球とサッカーです。)とか自動車の話を書いたり,ネタに困ったときには弁護士としての仕事の話も書いたりしていました。

ブログの更新をたまにとは言え一応続けているからか,最近は私のブログを見たという依頼者もちらほらと現れております。いつだったかヤミ金と交渉したときの話を書いたときには立て続けにヤミ金から借りて困っている人からの依頼がありました。あまりヤミ金関係の仕事が増えても困ってしまいますが,読んで下さっている人がいるということは大きな励みになります。

同業の方が作成しているブログなどを見ていますとほとんど毎日更新しているものもあり,正直「すごいなぁ」と感心してしまいます。また弁護士だけでなく,裁判官の方もブログを作っています。裁判官というと何か堅いイメージがあり,ブログを作っている人もいるというのは意外な感じがします。

よく世間からは弁護士は敷居が高いと言われ,市民がアクセスしにくいということが指摘されています。確かに,相談に来る人の中には,「もっと早く相談に来れば良かったのに・・・」と思う事例があり,そのように相談者に言ってしまう場合もあるのですが,相談者の方からは「弁護士の知り合いがいなかった。」と言われてしまうことがあります。

最近は弁護士も広告をするようになり,電車の中の広告やホームページを開設している事務所も増えています。広告の主目的は営業だとは思いますが,市民にアクセスポイントを提供するという意味もあると思います。

しかし,現段階ではまだまだ一般市民には「困ったときには弁護士に相談する」という発想が浸透しているとは言えません。

ブログを更新することで弁護士に対するアクセス障害が除去できるのかはよくわかりませんが,今年もがんばって更新していきたいと思います。

法テラスと民事法律扶助業務について(弁護士 本田正男)

民事法律扶助とは,資力の乏しい方々が法的な紛争に遭遇した場合に,無料で法律相談を行い,さらには,その必要に応じて,法律の専門家を紹介し,裁判の費用や弁護士の費用の立て替えなどを行う制度です。この民事法律扶助事業は,以前から行われていましたが,昨年10月2日の日本司法支援センター(http://www.houterasu.or.jp/)の業務開始に伴い,同センター(以下では,その愛称に従って「法テラス」といいます。)に業務全体が引き継がれています。

法テラスは,「あまねく全国において」「法による紛争の解決に必要な情報やサービスを受けられる社会を実現するため」「『総合法律支援法』にもとづいて設立された」組織で,本部の他に都道府県ごとに地方事務所が設置されていますが,殊に神奈川県の場合には,この地方事務所(通称「法テラス神奈川」)に加えて,小田原と川崎に支部が置かれ(川崎支部のことを通称「法テラス川崎」と呼んでいます。ちなみに,法テラス川崎の電話番号は0503383-5366です。),同一県内に2つの支部が設置されるという全国的にも稀な充実した体制が採られています。

従来民事法律扶助は,前述のように,弁護士を紹介したり,弁護士費用の立て替えを行うなど,資力の乏しい方々についても,そのことが法的なサービスを受ける上での障害となることがないよう構想されたもので,裁判を受ける権利(憲法32条)を実質的に保障するものとして,それ自体非常に有意義で有難い存在でした。ただ,困っていたのは,扶助の申込みから決定までに時間がかかるという欠点でした。従前の扱いでは,扶助の決定に際し,申込者本人の対面による審査が必要で,申込みから決定までに1か月半などということが普通でした。裁判や調停は,月に1回程度の割合で期日が入ることが多いために,たとえば,訴えられたり,調停を申し立てられた方が,裁判所から送られてきた書面を見て扶助を申込もうと思っても,次の期日までに,弁護士による代理援助を受けることができないか,仮に,なんとか扶助の決定には間に合っても,準備のための時間まではとれないということが一般的でした。

ところが,法テラスになってから,①川崎でも毎週扶助の審査を行い,また,②審査に際して,基本的に申込者本人は呼ばない扱いとした結果,長くても1週間,(川崎では水曜日が審査日ですので,)火曜日などに書面を提出すれば1日で審査が下りるようになりました。余り取り上げられることが少ないように思いますが,この申込み処理の速度の変化は劇的なもので,法的な救済の途が大幅に拡張されたといって差し支えなかろうと思います。

借地借家関係を巡る紛争に思う(弁護士 種村求)

借地借家を巡るトラブルは多く,市民法律相談等における相談件数としてはかなりの割合を占めます。また,相談にとどまらず,紛争として事件となる件数も多く,私自身,原告側・被告側問わず,借地借家を巡る紛争について依頼を受けることがよくあります。

借地借家の問題に関しては,特殊な場合を除いて借地借家法が適用されますが,この借地借家法の下では,借主の地位が非常に手厚く保護されております。

たとえば,通常の借地権・借家権については,いったん設定されれば,借主が更新を望まない限り,ほぼ半永久的に存続することになります。また,借地人又は借家人に1.地代・賃料・更新料の不払,2.借地権・借家権の無断転貸・無断譲渡,3.無断増改築,4.借地権・借家権の用法違反・保管義務違反,5.悪質な迷惑行為等などの特別な事情がない限り,借地権・借家権の契約を解除されることはありません。

このように借地人・借家人が手厚く保護されることにより,(1)地主・大家から不当な立退きを求められてもそれを拒絶できたり,(2)1か月だけ賃料の支払いが遅れたからといって,それだけでは契約を解除されることがなかったり,(3)借地権価格がその土地の時価の6割~7割という価値を有し,その借地権を第三者に譲渡することにより金銭に換えることができたりするなど,良い面は多々あります。

しかしながら,他方では,地主がその所有する古い建物を建て替えて高層マンションを構築して収益性を上げようと思っても,その古い建物の借家人が明渡しを拒絶する場合には,なかなか明渡しを求めることができないため,立ち退きをどうしても求めたい場合には多額の立退料の支払いを余儀なくされるといった問題があります。

特に,私が個人的に一番問題だと思うのは,賃料の不払を続ける借地人(借家人)が任意に土地(建物)を明け渡してくれない場合に,地主・大家が対処する手段が限られ,またその手段を利用するには非常に高額な費用が生じてしまうことです。

賃料不払を原因として建物収去土地明渡(建物を取り壊して,土地を借地人に対して明け渡すように求めるもの)・建物明渡を裁判で求める場合,3か月以上の賃料不払が続かない限り,明渡を認めてもらえないことがほとんどです。賃料不払が続いてどうしようもなくなってから弁護士に相談に見える方がほとんどですが,弁護士が訴訟提起を急いでも,裁判の期日が入るのは訴訟提起から軽く1か月以上は先のことになってしまいます。賃料不払を原因とする場合には,訴訟ではあまり争いなく明渡を命ずる判決をもらえることが多いのですが,それでも最初の裁判の期日から判決の日まででまず2週間はかかります。また,判決が出たからといって直ちに借地人・借家人をその土地(建物)から立ち退かせることができるわけではなく,立ち退かせるには強制執行まで必要です。しかも,強制執行においては,1か月以内に明け渡すように求める「催告」を経てからしか,「断行」という強制的に明け渡す手段をとることができません。

こうして,地主・大家の方が弁護士に相談されてから,明渡完了による事態の解決までに,半年程度は普通にかかってしまうのです。また,借地人・借家人によっては,訴訟の前に保全処分という手続まで必要な場合もあり,その場合にはさらに時間とお金がかかることになります。もちろん,その間もずっと賃料不払が続くことがほとんどです。しかも,強制執行をするに際しては,どうしても手慣れた執行業者に頼まざるを得ないケースがほとんどですが,執行業者にお願いする費用は通常の引っ越し等に比べかなり高額です。

このような事態が生じてしまうのは,法律が不十分であり,また裁判所が迅速な対応をとることのできる体制になっていないことによるものだと思われますが,法に携わる一人として,何とかならないものかと思いますし,何とかしなければならないものだとも思います。

とはいえ,そのような問題がなかなか解決できない以上は,この問題に対処するには,地主・大家のほうで自衛するしかないのが現状です。賃料不払が多少続いても大丈夫なように保証金を多めに設定するとか,信頼できる保証人をつけてもらうとか,賃料不払が発生する前に対策をとっていればそれに越したことはないのですが,そうでない場合でも,事態を放置すればするほど賃料不払の期間が長引く以上,賃料不払が少しでも発生したならば,弁護士に相談に行くなどしてすぐに訴訟を提起するべきだと思います。私もこのような相談・依頼を受けたときには時間との勝負という意識を持って事件にあたっております。

ご挨拶(弁護士 大橋賢也)

はじめまして。私は,この度1年半の司法修習を終了し,川崎総合法律事務所において弁護士としての一歩を踏み出すこととなりました大橋賢也と申します。

10月4日より勤務を開始し,既に2か月あまりが経ちましたが,いかに自分の法律の知識が不十分であるかを毎日思い知らされています。ご相談される方の疑問にうまく答えられないときにはもどかしさを強く感じますし,逆にお答えできたときにはうれしさを感じます。現在はまだこのようなうれしさを感じる経験をほとんどしておりませんが,日々の勉強を積み重ねていくことで依頼者の方々のニーズにお応えできたらと思います。 

また,最近特に感じていることといたしまして,弁護士に要求される能力は,依頼者の方の話をよく聞き,依頼者の方との信頼関係をうまく築くことだということです。さらに,依頼者の方だけでなく相手方や検察官さらには裁判官の言うことをよく聞いて,依頼者の抱えている問題を解決するためにはどういう方法がベストであるのかを判断することが弁護士の仕事であると痛感しております。

このような弁護士としての仕事を全うするためにもまず法律の基礎知識を固めることが何よりだと考えております。勉強第一!! ただし,健全なる精神は健全なる肉体に宿ることから,身体を鍛えることも忘れずにしたいと思います。

あと,私の趣味についてですが,事務所のホームページにも書いてありますが,一人旅をすること,泳ぐこと,読書等です。

今年の年末から年始に書けてイタリアはローマとフィレンツェに行く予定です。ローマ4泊,フィレンツェ3泊で,イタリア国内の移動は鉄道でする計画を立てています。車窓を眺めながらの鉄道の旅も楽しみですし,歴史的な建造物が数多く建ち並ぶローマ・フィレンツェの町並みを眺めながら旅することも楽しみです。

旅の内容は,飛行機とホテルだけを予め押さえておいて,あとは全く自由に行動するというもので,何が起こるか分からず今からワクワクしています。(狂犬病の予防注射をしていった方がよいのでしょうか?)

次回の事務所報ではイタリア旅行記を書きたいと思っています。

旅行だけでなく勉強もしっかりやっていきますので,今後ともご指導のほど宜しくお願いいたします。

大韓民国 水原(スウォン)地方弁護士会を訪問して(弁護士 熊谷靖夫)

横浜弁護士会は平成15年に韓国の水原地方弁護士会と姉妹提携し,毎年交互に訪問を行い,国際交流やセミナーを実施しています。今年は横浜弁護士会が水原を訪問する番でしたので,私も訪問団の一員として平成18年10月27日に水原を訪れました。水原地方弁護士会はソウル近郊の京畿道水原市に本部をもつ弁護士会で,水原市やその周辺の19の市,郡に事務所をもつ弁護士395名の会員が登録している韓国ではソウル地方弁護士会に次ぐ規模の弁護士会です。

水原地方法院(裁判所)の会議室で行われたセミナーでは「捜査の可視化」というテーマで被疑者に対する取調べの透明性と公正さの確保について日韓双方の制度や取り組み,今後の課題について弁護士,裁判官,検察官からの報告・研究発表がなされました。密室での取調べでは,時には捜査機関による暴力や嘘,騙しなどによって被疑者が肉体的精神的に追いつめられて虚偽自白が生じ,えん罪事件を生み出す原因となるためその可視化が重要になってきます。日本では密室での取調べが行われておりますが,韓国では弁護人が被疑者の取調べに立ち会うことを認めているだけでなく被疑者や参考人の取調べ状況を映像録画しこれを法廷に提出する制度があり日本よりも「可視化」が進んでいる報告を聞いて大変に勉強になりました。そして検察庁ではテレビカメラが設置された取調室の見学もありました。

セミナーや表敬訪問のあとの交流会では,日本語に訳すると「バクダン」と呼ばれるウイスキーのビール割りを片手に,拙い英語と身振り手振りで深夜まで水原地方弁護士会の会員のみなさんと交流を深めました。

捜査の可視化についての韓国の先進的な取り組みを目の当たりにした強い衝撃と「バクダン」という強いお酒のダブルパンチによる頭痛を抱えながら帰国した今回の訪問は,目の前のたくさんの事件処理に追われて,現状の制度の中だけで小手先で処理をしてしまいたくなる自分を見つめ直すよい機会でした。